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雪女 雪代
6月16日読了時間: 5分
エピローグ『真相』
立花警部は手塚葵が隠し持っていた監視カメラの映像を再生した。そこにはたくさんの子供達がいて、悠斗少年と浩介少年が口論する様子も映っていた。 「……これだけの目撃者がいたのか」 浩介少年を盾にするようにして怯えている子供が七人もいた。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 15分
最終話『探偵が生まれる理由』
「……蘭子」 浩介が出て来た。わたしはニッコリと天使のスマイルを浮かべて、クルリと一回転して見せる。 ふわりと広がるロングスカートに彼の視線は釘付けだ。 「どう? 可愛いでしょ」 「……あ、ああ、凄く、可愛い」 100点満点の感想だ。御褒美に撫でてあげたくなる。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 4分
第三十六話『名探偵お姉ちゃん、出動』
事件はまだ終わっていない。その言葉を聞いて、わたしはドキッとした。 妙な感覚だ。まるで、図星を突かれたようだ。 「黙れ! 犯人は手塚忠彦だ! そして、お前が黒幕だ!」 男が声を張り上げた。けれど、葵はそんな彼を嘲笑うかのように言った。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 6分
第三十五話『交差』
ママの事情聴取はまだ途中だったみたい。状況的に日を改める事も出来ないみたいで、もうしばらく拘束される事になるようだ。パパもママに付き添う事になった。 「というわけで、久し振りのお泊り会だー!」 「二人共、寝かせないわよ!」...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 7分
第三十四話『死体が生まれる理由』
白鳥彩音の自供の裏はすぐに取る事が出来た。 双六堂には確かに地下室があり、そこには頭部のない少年の遺体があった。 そこはまさしく伏魔殿だった。 「……これが人間のやる事なのか?」 結崎悠人少年の遺体を見つめながら、佐伯は呟いた。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 8分
第三十三話『探偵の流儀』
双六堂の人達だけではなく、レオンで出会ったブレイバー達も嘘を吐いていた。 信頼出来る人達だと思っていただけにショックが大きい。 彼らは少なくとも、わたしと会う前からわたしの名前を知っていた。そうでなければ、『こーちゃんに蘭子が自分の事をどう思ってるか聞いてくれって言われた。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 7分
第三十二話『手塚 葵』
楽しい時間はすぐに終わってしまう。お姉ちゃんが捕まるのは時間の問題だ。そうなったら、私の正体もバレてしまう事だろう。 この事件で私は誰も殺していない。唆してすらいない。けれど、警察は私を黒幕の如く考え、捕えようとして来るだろう。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 9分
第三十一話『殺人鬼が生まれる理由』
嘗て、羽村真理恵の名で岩瀬一家を惨殺した猟奇殺人鬼、白鳥彩音は不気味な程に素直だった。 抵抗する素振りを一切見せず、捜査官の指示に従っている。 「……何を企んでいる?」 佐伯は思っていた事を口に出してしまったのかと思って慌てた。けれど、その言葉を口にしたのは彼ではなく、隣に...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 7分
第三十話『白鳥彩音』
「……どうして、こんな事に」 隣でトモちゃんが泣いている。私は慰めようと思って手を伸ばしたけれど、その手で彼女に触れる事はとても罪深い事のように感じて、途中で引っ込めた。 「ごめんね……」 トモちゃんは泣いていた。泣きながら謝っていた。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 9分
第二十九話『ヤクザと警察』
わたしは混乱した。ヤクザと警察官が一緒にいる。あまりにもスキャンダラスな光景だ。 「え? え? 闇の関係!?」 「癒着!? 警察組織の腐敗!?」 「違う違う違う!」 瀬尾さんは慌てた様子で『違う』を連呼した。 「私は捜査の途中だったんだ。この男から聞き込みをして……」...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 5分
第二十八話『必要悪、あるいは正義』
署へ向かいながら、佐伯はおぼろげに見えてきた事件の全体像を頭の中で整理していた。 高藤家での事情聴取で新たに判明した事実を踏まえると、ゲーム・メーカーである手塚葵だけではなく、殺害された手塚忠彦も事件に関与している可能性が出て来た。 ずっと不思議に思っていたのだ。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 6分
第二十七話『心理的盲点』
双六堂に向かう道すがら、何度もパトカーや警察官とすれ違った。 「物々しい雰囲気ね」 「立て続けに殺人事件が起きたわけだからね」 亜里沙と紗耶の話し声をBGMにしながら、わたしは改めて事件の日の事を振り返ってみた。 ゆうちゃんはいつも暗くなる前に帰って来る。門限を守る為ではな...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 6分
第二十六話『二人の猟奇殺人鬼』
『ゲーム・メーカー』砂川葵が引き取られた高藤家は県境を跨いだ先にあった。インターホンのボタンを押すと、中からは細身の老婆が現れた。彼女が家主の高藤早苗だろう。砂川の義母だ。 「……どちらさま?」 「急に押し掛けてしまい申し訳ございません。わたくしは警視庁捜査一課の立花です」...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 5分
第二十五話『亜里沙と紗耶』
亜里沙と紗耶とは幼稚園の頃からの付き合いだ。学校では常に三人で行動していた。だけど、事件の日からはずっと家で引き籠もっていたから、なんだか二人の背中が懐かしい。 「蘭子に何する気よ!?」 「け、警察に通報するわよ!」 二人は何か勘違いをしているようだ。...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 5分
第二十四話『追跡』
『伊山病院殺人事件』。その事件の真相は思わぬ所から飛び出て来た。 佐伯が当時の世間の反応を調べようと考えて、スマホで事件を検索した所、事件の暴露本が販売されている事に気がついた。執筆者は犯人の一人だった。 癪な事に、その本には電子版もあった。捜査費で計上出来るか不安に思いな...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 4分
第二十三話『幼馴染』
パパとママは家中のどこを探しても見つからなかった。凄く嫌な予感がして、わたしはパパのスマホに電話を掛けた。コール音が三回鳴ったところでパパが応答してくれた時、安心感のあまり腰が抜けそうになった。それくらい、わたしは強い不安感を抱いていた。 『蘭子か?』...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 5分
第二十二話『集団心理』
「宇喜多のグループが麻斗少年を含めた複数の少年少女に対して行った集団暴行事件の数々。カップルや兄弟、友人同士に対して、『一方だけを助けてやる』と言って、どちらが犠牲になるかを自分達に決めさせる『生贄ゲーム』。『髪を剃る』、『万引きをする』、『友人を殴る』、『教師の個人情報を...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 7分
第二十一話『嘘吐き』
いつの間にか眠っていたようだ。瞼を開くと、見慣れた天井が目に入った。そこには満天の星空が浮かんでいる。もちろん、本物じゃない。プラネタリウムのように光と影でそう見せているわけでもない。ただの壁紙だ。 ゆうちゃんが幼稚園に入る前に家を建て替えた時、ママが子供部屋の天井には壁紙...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 6分
第二十話『ゲーム・メーカー』
まさか、刑務所にとんぼ返りする事になるとは思わなかった。一応、宇喜多から聴取した内容はすべて立花警部に伝えてあるが、彼は他にも問いたい事がある様子だ。 刑務所に辿り着くと、立花警部は早足で受付に向かって行った、後を追いかけて中に入ると、すぐに案内係が現れた。さっきとは対応が...
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雪女 雪代
6月16日読了時間: 8分
第十九話『死別』
朝になり、目を覚ますと突然、扉がガチャリと開かれた。 「……蘭子!」 「パパ……?」 部屋に入って来たのはパパだった。焦りと不安の表情を浮かべている。 「こ、ここに居たのか……」 「ど、どうしたの?」 久しぶりにパパの声を聞いて、少し戸惑った。いつもなら、パパは無言のまま家...
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