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雪女 雪代
6月19日読了時間: 6分
エピローグ『偉大なる死』
夢を見た。 両親に愛されて育ち、友達と遊ぶ日々。 「……違う。これは現実だ」 両親も、育ててくれた祖父も、自分自身の存在さえ嘘だった偽りだらけの人生こそ夢になった。 都心の閑静な住宅街。そこがオレの新しい居場所となった。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 5分
最終話『再誕』
百三十八億年の間、レオと名付けられたウルガは、この瞬間を待っていた。 アルヴァ。この存在との因縁は一億年どころではない。 産まれる事の出来なかった魂達の怨嗟を背負うもの。既存の生命を滅ぼさんとする破壊神。それが、アルヴァ。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 7分
第四話『ウルガ』
無数の命が産まれ、そして、消えていく。 何十、何百、何千、何万、何億……、数える事すら馬鹿らしくなるほどの人生を体験した。 わたしになり、オレになり、ぼくになる、わしになる。 時には虫に、時には恐竜に、時にはアザラシに、時には鳥になる。 『ウルガ ウルリヤ』...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 13分
第三話『究極』
岩崎康平と坂巻健吾は見知らぬ場所で目を覚ました。 「……え? ここ、どこ!?」 あまりにも現実離れした光景が広がっていた。例えるなら、SF映画に登場する宇宙船の船内。煌めくメタリックな壁に覆われた室内には立体映像を映し出すコンソールが並んでいる。 「落ち着け、坂巻」...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 9分
第二話『鳥竜無双』
神酒の海と呼ばれる月面の平原で、メギドは地球を見つめていた。 一億年前と変わらぬ、青い星。嘗ては、破壊する側に立っていた。 あの時、奇跡を起こした存在は天音八雲以外にも三人いた。条件は無数の魂の中で個を保てるほどの強烈な自我。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 8分
第一話『人類再生プロジェクト』
『待って……!』 頭の整理が追いつかない。 これは一億年前の映像だ。それなのに、知っている名前がいくつも出て来た。 天音靖友、八雲、坂上健吾。それに、靖友の子でありウルガと共に戦っていた少年。あれは、間違いない。忠久だ。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 9分
プロローグ『一億年前の真実』
摩周湖。北海道川上郡弟子屈町にある世界で二番目に透明度の高い湖だ。 水中に入る為に水の祈りを捧げる。マリン・フォームは四代目が水中に潜むシーザーというSDOを討伐する為に得た力。 流線型のスタイリッシュな体に変化してレオは水中を潜る。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 7分
第十話『黙示録』
マイケル・ミラーと名乗った男は飛び立つウルガを複雑な表情で見つめていた。 「……君は、やっぱりソッチを選ぶんだね」 深く息を吐き、魂を食い尽くされた抜け殻に縋り付く二人の少年を見下ろす。 この絶望を彼は知っている。だからこそ、一億年もの間繰り返してきた。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 13分
第九話『贄神』
くるくると回り続ける顔のない女。笑い続ける青い男。ふわふわと浮かぶクラゲ。地面を這いずり回るトカゲ。こちらを覗き込んでくる無数の眼球。 相も変わらず、伏魔殿は混沌としていた。 「なあ、ここは龍脈の内部空間って言ってたけど、こいつらは何なんだ?」 前を歩く忠久に問いかける。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 9分
第八話『変身』
廃墟と化した街で二体の巨大生物が睨み合っている。その光景を戦場カメラマンとして数々の修羅場を潜り抜けてきた天城章太郎がカメラのレンズ越しに見つめていた。撮影している映像はリアルタイムでネットの動画配信サイトにアップロードされ続けている。 「……す、素晴らしい」...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 10分
第七話『決意』
はじめ、声すら出て来なかった。護国島の神殿や龍鳴山の洞窟内で見るのと屋外で見るのとではまったく違っていた。現実離れしていた場所だったからこそ現実離れした存在であるウルガを受け入れる事が出来ていたのだと、今更になって理解する。襲いかかってくる現実感に僕は恐怖を覚えた。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 8分
第六話『新生』
正直に言って、学校は好きじゃない。イジメという程ではないけれど、陰口を叩くやつもいれば、通りすがりに背中を叩いてくるやつもいる。だけど、学校には康平がいる。 クラスで孤立していても十分過ぎる程の理由だ。親友が一人いる。それだけで学校に来る価値がある。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 7分
第五話『怪獣』
暗闇に満たされた道を一人の男が歩いている。刻まれた皺が相応の年齢である事を伺わせるが、その歩みには老いを感じさせない力強さがあった。 ロバート・エルヴィン。彼は以前まで特定災害対策局の局長を勤めていた。人類の為に七十年もの歳月を捧げ、数多のSDOを葬ってきた。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 8分
第四話『未知の法則』
『―――― |生命の起源《Origin of life》を考えた事はあるかい?』 ジョン・タイターと名乗る男の問いかけに、ジェイコブ・アンダーソンは苦々しい表情を浮かべた。大学時代、その手の話題は諍いの源となる事が多かった。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 10分
第三話『繭』
「……康平。やっぱり、帰ったほうがいいんじゃないか?」 「なんで?」 「なんでって……、さやかさんが居なくなっちゃって、おじさんとおばさんも寂しがってる筈だろ? だから……」 「親父とお袋が寂しがってると、どうして俺が帰らないといけないんだ?」...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 8分
第二話『輝竜』
愛する家族に別れを告げ、その足で沙也加は京都に向かった。 駅に到着すると、バスで近代化された都市部を抜けて鞍馬山を目指していく。 山の前まで来るとチラホラ観光客の姿があった。この山の正体を知らない者にとって、ここは源義経縁の観光名所でしかない。 「行くよ、メギド」 「ああ」...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 10分
第一話『秘密の守り人』
その日まで、ジェイコブ・アンダーソンの人生は順風満帆だった。父は世界的に有名な物理学者であり、母も彼に負けない知性を持つ薬学のエキスパートだった。両親の類稀な知性を受け継いだジェイコブは|マサチューセッツ工科大学《MIT》をトップの成績で卒業し、思うままに研究を重ね、様々な...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 8分
プロローグ『一億年目の約束』
「ハァハァ……」 京都の街から少し離れた山の中、|岩崎沙也加《いわさき さやか》は息を切らしながら走っていた。彼女の体には走る途中で転んだ時に出来た切り傷が幾筋も走っている。 数時間前の事だった。久しぶりに里帰りした沙也加は家の周りを歩いてみようと思った。幼少の頃、彼女はあ...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 7分
第十話『始まりの終わり、終わりの始まり』
『我が親愛なる孫、翼へ。 このように書き始めておきながら、わしはお前に言わねばならぬ事がある。それは、わしがお前の本当の祖父ではないという事だ。贄守梁兼という名も偽りだ。 わしは陰陽連という組織に所属している。お前を育てあげる事がわしに下された使命だった。...
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雪女 雪代
6月19日読了時間: 9分
第九話『常世の国』
気がつくと奇妙な場所を歩いていた。山のように積まれた本。そこかしこに浮かぶ仮面。足元や壁には歯車が無数に顔を出し、隙間は見たこともない植物が埋めている。 すれ違う人々は一人残らず変わっていて、道化師のようなメイクをしていたり、頭がやたらと大きかったり、バレリーナのような格好...
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